
介護休業給付は当然認められます
我々日本人は性格的に給付を受けることに対してより、個人的な理由で長期間会社を休むということに引け目を感じる傾向があります。
ですから(特に男性の)育児休業給付と同様に、この「介護休業給付」も取得する人が少ないのが現状です。
そういった方のために私が体験した実話を少しお話します。
私が以前働いていた職場に、介護休業給付を取得して約3ヶ月間休職した上司がいました。
その上司はWEB関連業務の中で「ディレクター」と呼ばれるポジションの人で、クライアントと私のような制作側との間に入っていろいろとやり取りをする役割をしてくれていたので、正直その上司が休職してしばらくの間は本当に大変でした。
しかし、どんなに自分の仕事が大変になっても、その上司が介護休業を取得したことに対して悪く思う人は一人いませんでしたし、もちろん苦言を言う人も誰一人いませんでした。
それどころか皆「大変だよな、俺らも他人事じゃないよな」と同情したぐらいです。
確かに「個人的な理由で長期間会社を休むことに引け目を感じる」という性格は日本人らしいと言えます。と、同時に、介護などで苦労している人に対して同情することが出来るのも我々日本人です。
ですから「介護休業給付」や「育児休業給付」は誰に気兼ねすることなく取得してしまって良いのです。
私個人的には、もっと多くの人がこういった給付を利用しないと社会は変わらないと思っています。
受給するための条件
介護休業給付の受給条件は下記になります。
(2)介護休業開始前2年間に疾病、育児等により引き続き30以上賃金の支払いを受けることが出来なかった場合はその日数を
2年に加算出来る(休業開始日前4年を越えるときは4年を限度とする)。
(3)介護休業を開始する時点で、介護休業終了後に離職することが予定されている人は支給対象者とならない。
では一つずつ見てきましょう。
条件は育児休業給付のときと似ています。
(1)は「介護休業を開始するまでの2年間にで1ヶ月間に11日以上働いた月が12ヶ月以上あること」という意味です。
介護休業給付も雇用保険から支給されるわけですから、そもそも雇用保険を一定期間以上支払っていない人は受給資格が無いということです。
(2)は(1)の特別措置です。つまり「介護休業開始するまでの2年の間で病気などで30日以上連続で賃金の支払いを受けられなかったことがあったがために(1)の条件をクリア出来なかった人のみ、介護休業を開始するまでの2年間にその日数分足しても良いですよ」という意味です。
(3)は「はじめから休業後に退職するつもりで介護休業給付を受けるのは認められませんよ」という意味です。
ただ、(3)は休業を取得し介護をしていくうちに「やっぱりずっと一緒にいてあげたいな」と思うこともあるかもしれません。
その場合は、この3、には当てはまらず、会社もあなたの選択を尊重するしかありません。
支給対象は家族の介護のみ
基本的に育児休業給付は家族の介護のみ支給対象になります。
家族の範囲は
父母および子
同居して扶養している祖父母、兄弟姉妹、孫
配偶者の父母
介護保険が受けられる家族の範囲
また介護対象の家族の状態ですが、「負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護(歩行、排泄、食事などの日常生活に必要な便宜を供与すること)を必要とする状態にある」と定められています。
なお育児休業給付は一人の家族に対して1回とされており、日数は最長で93日までとされています。
介護休業給付の支給額は平成28年に改正されました
介護休業給付の支給額は原則として、休業を取得した時点での給料の67%(平成29年現在)と定められています。
また支給限度額も定められており、平成29年現在の上限額は312,555円となっています。
※この割合はここ数年で劇的に変わってきています。今後も変わることは十分考えられますので、ご自身が取得する際は改めて会社に確認してください。