こんにちはハセガワと申します。
私はこの記事タイトルの通り、30代でフリーターから正社員への転職に成功しました。
今回はどのような流れでフリーターから某IT企業の正社員に転職することが出来たか?を出来る限り細かいところまで思い出しながら書きたいと思います。
特に私は20代はミュージシャンでしたので、「20代で好きなことをやった後での就職」という問題を抱えている人には参考になるかと思います。長文ですが是非最後までお読みいただけたらと思います。
21歳でミュージシャンを志し上京
私は21歳のときにミュージシャン(ベーシスト)を志し上京しました。
もともとは東京でバンドを組んでデビュー!というのを目指していたのですが、なかなか同じ音楽の趣味を持つ仲間に出会うことが出来ず、毎日一人でコツコツ練習をしていました。
23歳の時です。雑誌で「ミュージシャン募集」の記事を見つけました。新宿の某音楽事務所が各楽器のミュージシャンを若干名募集していたのです。
私はそれを見て「これだ!」と思い即応募しました。その後その音楽事務所から呼び出され、読譜やらアドリブやらのオーディションを受けて、何とかその事務所所属のミュージシャンになることが出来ました。
ただミュージシャンと言っても、もともと希望していたバンドではなくピンのベーシストとしての演奏の仕事が主でした。
ただし演奏の仕事と言っても皆さんが想像するような華やかなものではなく、「アイドルなの?」と疑いたくなるような中途半場なルックスの女性シンガーのバックバンドや、新宿のホストクラブなどで演奏する、いわゆる「ハコバン」と呼ばれる仕事が殆どでした。
今は無き鶯谷のザ・昭和のキャバレー「スター東京」で演奏していたこともあります。あそこは時代錯誤してておもしろかったなぁ。
ミュージシャンになりたくて上京し、ミュージシャンとしてお金を頂いてはいましたが、自分が望んでいたミュージシャン像ではないのは明らかでした。が、「俺は演奏してお金を稼いでいるんだ!これでもプロには違いない」と自分に言い聞かせながら、その生活をしばらく続けていました。
そして6年ほどその生活がつづいた、もうすぐ30歳になろうというの時のことです。
ある朝、目が覚めると「なんか音楽飽きたな」と突然プツンと糸が切れたようにミュージシャンへの未練が無くなってしまったのです。
今思い返してみても不思議なのですが、その前の晩まで練習をしていたのに、朝起きたら本当に突然、音楽への未練も情熱も全く無くなってしまっていたのです(もちろんそれ以前からいろいろ迷ってはいましたけどね)。
30歳で会社勤め経験無しの男!これからどうする!?
とりあえず私は所属していた事務所に「音楽辞めます」と告げました。事務所側は驚いてはいませんでした。おそらくこれまでも何百人と同じような人を見てきたのでしょう。
ただミュージシャンでも引継ぎがあります。後任者が見つかるまではやって欲しいと言われ、結局私が完全にミュージシャンとしての仕事を終えたのは、事務所に辞める意思を伝えてから2ヶ月後のことでした。
さて問題はここからです。
何せ30歳まで音楽しかやってこなかったわけですから演奏以外のスキルは何もありません。それどころかビジネスパーソンとしての常識も何もありません。
ただ、私は子供の頃から絵が得意でした。自分で言うのもなんですが才能だけなら音楽の10倍あったと思います。
そして以前から「ホームページ作ってみたいな」という思いもありました。
それもあって「WEBデザインに関わる仕事をしよう!」と、これもまた突然思い立ちました。
今考えても、アラサーで未経験でWEBデザイナーなんていうのは無謀極まりないのですが、「どうせ何のスキルも経験も無いのだからどの仕事も同じだ」と、逆に割り切ることが出来ました。
そこからは郵便局で深夜のアルバイトをしながら、Photoshop、Illustrator 、Flash(当時はまだギリ主流だ)等のソフトや、ホームページ作成に必要なHTML、CSSを独学で勉強する毎日が続きました。
独学である程度(といってもほんの僅かでしたが)スキルが身に着いた段階でWEB関連の仕事も探し始めました。しかし未経験で、アラサーで、しかも技術職となると募集さえ見つけることは出来ませんでした。
そんな時です。フリーペーパーで「ホームページ作成、更新作業、時給1000円」というアルバイトの求人を見つけたのです。書いていて気が付きましたがミュージシャンの時といい私の人生は雑誌の求人広告に左右されてますね。
「これだ!」
何せ私には実務経験がありません。アルバイトであろうがなんだろうが、まず実務経験を積まないことには企業が相手にしてしてくれるはずが無いと思いました。
私は早速そのアルバイトに応募し、それまでの独学期間で作成したWEBサイトやFlashアニメーション、Photoshop、Illustrator の作品を持参して面接に行きました。
結果は合格。
WEB関連の仕事で時給1000円はもちろん相当安いほうですが、アルバイトなので仕方ありません。と言うより実務経験を積むことが目的でしたからお金は関係ありませんでした。
結局そのアルバイトは1年ほど続けましたが、本当に多くの事を学ぶことが出来ました。お金を貰えて、勉強も出来て、実務経験まで積ませてもらえたのですから本当に感謝しかありません…今はその会社は潰れてますが(汗)。
転職エージェントに登録、しかし…
さて、そのアルバイトを辞めた時点で私は32歳を迎えようとしていました。
更にWEBデザインの経験を積んだといってもたかが1年、しかもアルバイトです。
私は「これでは自力で転職先を探すのは難しいな」と思い、いくつかメジャーな転職エージェントに登録することにしました。
転職エージェントに登録すると、驚くほど多くの仕事の提案はしてもらえました。
しかし喜んでばかりはいられませんでした。何故なら転職エージェントが「この会社はどうですか?」と提案してくる企業の仕事内容が、私のスキルではとてもこなせない仕事ばかりだったからです。
中には「スクウェ○・エニック○のゲームのオープニングアニメーション」なんて提案まであり、「出来るわけねーだろ!俺の職歴見たか!」とツッコミたくなるような仕事もありました(ひとえに自分のスキル不足が原因なのですが…)。
転職エージェントはキャリアアドバイザーとのミーティングが重要
そこで私はそれまでで最も印象の良かった大手の転職エージェント1社に絞り、そのエージェントのキャリアアドバイザー(以下CA)に自分のスキルレベル、ミュージシャンからキャリア変更したこと、独学であること、アルバイトを挟んだ理由など全てを話しました。
するとそのCAは「わかりました。もう一度ハセガワさんに合った会社を探してみます」と言い、その数日後、某IT企業の「契約社員」としてのWEBデザイナーの仕事を紹介してくれたのです。
※大手の転職エージェントとなると正社員だけでなく契約社員や紹介予定派遣の求人案件も扱っています。
「契約社員ですが、正社員への移行の可能性もある求人です。ハセガワさんがよければ先方にハセガワさんのキャリアや熱意を話してみます。」
「よろしくお願いします!」
私は迷うことなくお願いしました。
普通なら30代で契約社員ということになると不安があるかもしれませんが、私は当時まだ独身でしたし、偉そうなことが言える立場でもありませんでしたから迷うことはありませんでした。それに正社員では無いことが逆に気を楽にしてくれました。
面接、そして契約社員として採用
私は履歴書、職務経歴書、資料(これまで手がけてきた仕事など)をまとめ、エージェントに紹介してもらったIT企業の面接を受けました。
職務経歴書はキャリアがキャリアなだけに、どう書いたら良いか全く分かりませんでしたが、CAに相談して何とかそれらしいものを用意することが出来ました。
面接は終始フランクな感じで進みました。直感で「あ、俺合格するな」と思えたほど良い雰囲気でした。
ただ、それも後で面接を担当してくれた人に聞いたところによると、CAが予め私のキャリアや性格、趣味などを話してくれていたことが幸いしたようでした。本当にありがたいと思いましたね。
契約社員から正社員へ
結局私は契約社員で採用され、半年も経たないうちに改めて正社員として採用されました。
スキル的にはまだまだで、周りの社員さんのレベルと比べると、どう考えても正社員として雇っていただけるようなレベルではなかったのですが、私の性格や努力(?)が受け入れられて正社員として雇っていただけることになったのです。
こう考えると転職エージェントに限らず、「人の紹介」に勝る転職の武器は無いかもしれません。
と言うのも、私などは契約社員から正社員に昇格した時点でもスキルは全然でしたが、(言葉は悪いですが)何とか会社に潜り込めたおかげで私の人間性をアピールすることが出来、正社員になることが出来たからです。
そうでなければ私のスキルレベルではまず正社員にはなれなかったと思います。
未経験でも30代から技術職に就くのは不可能ではない!
自分の夢に向かって一生懸命好きなことを頑張っている20代は多いと思います。
ただその中でも夢を掴んで成功する人はほんの一握りで、ほとんどの人はそのまま続けて気が付いたら40歳50歳になっているか、もしくは私のように進路変更するかだと思います。
自分の好きなことを40歳50歳まで続けられる人はそれはそれで素晴らしいことですから是非負けずに続けていただきたいと思います。
好きなことを続けることの難しさは私も身を持って知っていますから、それが出来る人たちのことは本当に心から底から尊敬しています。
ただ「この年になって止めるに止められない」という思いで続けているのであれば、思い切ってそのキャリアを終了させ、新しいキャリアをスタートさせてみるのも悪くないのでは?と思います。
「このままでいいのだろうか?」と迷いながらの人生は堕ちるだけです。
私は30歳でミュージシャンを止め、32歳で正社員になることが出来ました。しかも未経験での転職が難しいとされている技術職の正社員です。
(私自身は優れた人材ではありませんが)優れた人材なら年齢に関係なく欲しいと思っている企業は沢山あります。
優れた人材とは技術的に特別なスキルがある人のことだけではありません。
「何事にも一生懸命」「仕事の覚えが早い」「年下の面倒見が良い」「粘り強い」「柔軟性がある」「行動力がある」「人当たりがいい」というのも立派なスキルです。
何よりその年齢になるまで、夢に向かって、情熱を切らさず、一生懸命一つのことを続けてこられたこと自体が、あなたに飛びぬけた「忍耐力」や「継続力」といったスキルがある証拠です。
あとはそれをどう企業にアピールするか?だけです。
しかしそれも、私のように転職エージェントを使うなり、知り合いに紹介してもらうなりすれば何とかなるはずです。
ですから、もし「このままでいいのだろうか?」と迷いながら今の人生を続けているのであれば、「一度思い切ってその人生をリセットしてみても良いのでは?」と経験者としては思わなくもありません。
最後に、
私のこの記事を読んで「アルバイトから入って、契約社員になって、それでようやく正社員って、やっぱり大変そうだな」と思った人もいるかもしれません。
でもね、迷いながら毎日何時間も楽器の練習をしてた日々に比べりゃあ100倍楽でしたよ!
だからこれまで夢に向かって頑張ってこれた人なら転職の苦労なんて余裕ですよ!なにせ根性が違いますから!
やってみたら結構何とかなるもんですよ!私がそうでしたから!
ではこの辺で終わりにしたいと思います。長文お読みいただき有難うございました。
2017年11月寄稿