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年金は老後のためだけだと思っていませんか?
「年金を納めたって将来貰えるかどうかわからない」という若い人の声をよく耳にします。
世の中に“絶対”ということはありませんから、そういった意見を全否定するつもりはありません。
では、公的年金は老後のためだけのものではないというのはご存知ですか?
たしかに基本的には年金は65歳から支給されるものですが、公的年金には障害に対する給付もあり、あなたが万が一働けなくなってしまったときの生活保障もしてくれるです。
もしこんな基本的なことさえ知らずに「将来年金なんてもらえない」と言っていたのであれば考えを改めなくてはなりません。
この障害年金を受給するには条件があり、それまでの期間(20歳から申請するまで)のうち保険料を支払った期間が3分の2以上あることが受給条件になっています。
つまり現在50歳だとすると、20歳から50歳までの20年間の3分の2、つまり約20年間以上保険料を支払っていることが受給条件になります。
なお、この障害年金は障害になってからは “未払い分を後から支払う” ということが出来ません。
万が一のことを考えたなら、やはり年金は滞納することなくきちんと納めておかなくてはなりません。
なお障害年金は国民年金の中に「障害基礎年金」が含まれていますから、別に手続きをする必要はありません。
障害年金の支払いを受けるには3分の2以上の期間の支払義務
年金をもらうための最低加入期間は10年(平成29年8月1日から)
年金の支給されるのは65歳からですが、これまで年金の受給資格を得るには20歳から60歳までの40年間のうち、最低25年以上国民年金に加入していなければ年金は支給されませんでした。
しかし平成29年8月1日から、この最低加入期間が10年に短縮されました。
これまでは例えば40年間のうち24年間年金を支払ったとしても、全くの払い損になり一銭も返ってくることはありませんでした。
それが10年に短縮されたわけですから、年金を受け取ることが出来る人が相当数増えることが予想出来ます。
ただし「じゃあ10年間だけ納めればいいのか?」と言えば決してそういうわけではありません。
というのも、受給額が全く変わってくるからです。
平成29年現在、
20歳から60歳までの40年間フルに国民年金に加入した場合の年金支給額は月額65,008円です。
20歳から60歳までの40年の間の25年間国民年金に加入した場合の年金支給額は月額40,630円です。
では、20歳から60歳までの40年の間の10年間国民年金に加入した場合の年金支給額はというと、現在算出されている支給額は月額たったの16,252円です。
16,000円/月の年金だけで老後の生活が送れるわけありませんよね?
この金額の差を見ても年金を未納・滞納せずに支払うことがいかに大切かということがお分りいただけると思います。
公的年金が破綻して今納めている年金がもらえなくなることはあるのか?
実際問題、年金がもらえなくなることはあるのでしょうか?
どういった事態が起きたら年金がもらえなくなるのか考えてみましょう。
なお「保険料を支払っていないから」という理由は除きます。
(2)「年金制度廃止、いままで支払った年金も返金しない」という法律が制定されたとき
年金を納めてきたにも関わらず、もらえなくなる理由として私が思いつくのはこの2つくらいです。
では実際にこういったことは起こり得るのでしょうか?
「日本が破綻したとき」は、もし本当に日本が破綻すれば年金どころの騒ぎではなく、われわれ国民の生活自体が成り立たなくなってしまうでしょう。
国がこういった事態を招くというのは現実的になかなか考えられません。
「年金制度廃止、いままで支払った年金も返金しないという法律の制定」はどうでしょう?
これは絶対ないとは言えません、が、相当に確率は低いと思います。
何故ならそんなことをすれば、株価や為替にも大打撃を与えることになり、やはり結果的には日本の経済が破綻してしまうからです。
いずれにせよこれら2つは相当に確率が低いことであり、こんなに確率の低いことを理由に年金を払わないというのはナンセンスなことだと私は思います。
それぞれ考え方はあると思いますが、そもそもの前提として国民年金は支払うのは国民の義務ですから、いかなる理由があったとしても必ず納めるようにしましょう。
追記:年金の支給が75歳からになる、というのはもしかしたら…あるかも…ですね。