退職

鬱(うつ)で会社を退職するということ

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鬱のようなメンタルヘルス疾患は、一般の病気やケガと比べ、それが業務上の理由によるものかの判断が難しいため労災保険の認定も難しくなります。ただそれ以前に「心を壊してまでやらなければならないことなどこの世にない」と思います。

鬱が業務上の理由と認められやすいケースと認められにくいケース

一般的に業務上の事故などが原因のケガや病気の場合、労災保険による給付も手厚く、また会社も当然それを理由に解雇は出来ないことになっています。

ただ鬱のようなメンタルヘルス疾患の場合、それが業務上の理由によるものなのかを証明することが難しいという問題があります。

現在の労災保険では鬱に対して特定の法律があるわけではありません。
ですから鬱もケガや病気同様に、原因が業務上の理由によるものだと判断されれば怪我や病気と同じように労災保険が適用されます。

では鬱の原因が業務上の理由によるものだと判断されやすいケースとはどんな場合でしょうか?

業務上の理由と判断されやすいケース

長時間の残業や休日出勤などの過重労働があった場合は、鬱の原因が業務上の理由によると認められることが多くなっています。

また上司の理不尽な要求やイジメなどが原因で鬱になった場合も、それを証明するものがあれば業務上の病気と認められる場合があります。

なお、過重労働やイジメ(パワハラ)が理由による退職は、鬱にならなくても失業保険の「特定受給資格者」の資格を得る場合がありますから、

下記ページで確認してください。

少し話はそれますが、常識を逸脱した過重労働が原因で自殺してしまう人がいることが社会問題になっていますが、自殺する人の大半は鬱になっていると考えられます。
「自殺するぐらいなら辞めればいいのに」と思うかもしれませんが、責任感の強い人ほど「(仕事を)やるか?誰もが納得するくらいの“やらなくても良い理由”を作るか?」の2択になってしまうのです。

私もさすがにそこまでは思いつめたことはありませんが、ただ、10代の終わりに3ヶ月間ほど大手運送会社で働いたことがあり、その当時(25年程前)の運送会社は、どこも労働基準法も何もあったもんじゃないという労働条件でしたから、そんな環境で早朝から深夜まで毎日働いていると「事故して骨折でもしたらしばらく休めるな」と、危ない精神状態になってしまうことはありました。
そのぐらい過重労働は人の判断力を低下させてしまうのです。
自分で「ちょっとおかしいな」と思ったら先ずは身近な人に相談してください。

業務上の理由と判断されにくいケース

第三者から見て「会社側に非は無い」と判断される事柄が原因で鬱になった場合は、業務上の理由と判断されることはまずありません。
人間関係や、自分の失敗やスキル不足が原因で鬱になる人もいますが、こういった場合は労災が適用されることはまずありません。

自分の心は自分で守ることも大切

健康な心が大切イラスト
現在は鬱などのメンタルヘルス疾患に対する世間の理解が深まり、以前に比べればメンタルヘルス疾患に対する会社の対応も随分良くはなっています。

ただ、会社が原因で鬱になるケースは何も会社側に非がある場合だけではありません。
同僚との不仲、自分の未熟さ故のミス、そもそも自分やりたい仕事ではない、等、鬱になる原因は様々です。
会社に非が無い場合は労災も認定されませんし、退職したとしても、通常の「自己都合退職者」になり、これといった保障を受けることも出来ません。

じゃあ、その仕事を我慢してやり続けなければならないのか?

これはあくまで私個人の考えですが、私は「心を壊してまでやらなければならないことなどこの世にはない」と思っています。

どんな理由であれ、たとえ自分に非があったとしても、会社が原因で鬱になったら、あるいはなりそうなら、退職でも休職でも、方法はどうあれ一旦その場を離れるべきだと思います。

その仕事を続けるにしても、転職して新たな気持ちで再スタートをきるにしても、心身共に健康でなければ何も出来ません。
「自分の身は自分で守る」という言葉がありますが、自分の心も自分で守る必要があるのではないでしょうか?

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