転職関連サイトや転職本を見ると、必ず「キャリアの棚卸しをしましょう」と書いてあります。
しかし、私のような「採用する側」から言われてもらえれば、そこで説明されているキャリアの棚卸しの方法は、せいぜい “やらないよりはマシ” レベルで、とてもおすすめできるものではありません。
なぜなら、一般的に紹介されているキャリアの棚卸しの方法は、どれも「自分本位」で、企業のことを考えていないからです。
「キャリアの棚卸しをしてから応募企業を決めるのだから、棚卸しの段階では自分本位ではいいのでは?」
と勘違いしている人もいますが、そういった考えではいつまで経っても転職は成功しないでしょう。
ですが、今回紹介することを意識してキャリアの棚卸しをすれば、グッと転職成功に近づくはずです。
仕事は常に自己評価ではなく他者評価
一般的なキャリアの棚卸しは、
やりたいこと⇔やりたくないこと、
仕事で楽しかったこと⇔仕事で嫌だったこと
得意なこと⇔苦手なこと
強み⇔弱み
というように書き記し、自分が本当にやりたい仕事、向いている仕事を見つける作業だとされています。
これはこれで悪いとは言いません。が、この方法には致命的な欠陥があります。
それは、この方法では、所詮「自分本位」の「自己評価」しか出てこないということです。
仕事で大切なのは常に「他者評価」です。
あなたが自分で「強み」だと思っていることでも、周りから見たら大したことないということもあるかもしれません。
よくいるのが
「俺は●●が得意なのに、会社では全くやらせてもらえない。その代わりに○○ばかりやらされる。会社は俺のことが分かってない!」
と、嘆く方です。
しかしこれは全くの勘違いと言わざるを得ません。なぜなら、先述したように仕事とは常に他者評価だからです。
あなたが自分では得意だと思っていることをやらせてもらえない理由は2つしかありません。
周りからみたら大したレベルではないか、あなたの「これ得意です!」というアピールが足りないかだけです。
いずれにせよ、得意なことをやらせてもらえない原因はあなたにあり、それを嘆くこと自体がお門違いなのです。
逆に「やりたくない○○ばかりやらされる」というのは、それを何度も頼まれているのであれば、間違いなくあなたは、その職務では一定レベル以上の仕事をこなしているのだと判断できます。
つまり他者評価では、あなたがイヤイヤやっている仕事こそが、実はあなたが得意な仕事だと思われているかもしれないのです。
ここで少し考えて見てください。
企業が欲しい人材は、本人のみが得意だと思っていることを仕事に生かしたいとアピールする人材か?
他者評価で、周りから評価されているスキルを仕事に生かしたいとアピールする人材か?
どちらか本当に企業が欲しい人材かは分かりますよね?
もちろん後者です。
こういったことを考えずキャリアの棚卸しをして、応募企業を選んでしまうと、いつまでたっても本当の意味で自分に合った企業は見つかりませんし、仮に採用されたとしても「何か違う」と、いずれ辞めることになってしまうのです。
極端な例ですが、仮にあなたが入社して3年間営業をしてきたとして、「やっぱり俺は営業は向いていない!経理をやりたい!」と思ったとしても、応募企業から見れば(すくなくともその時点では)あなたが得意なことは経理ではなく、実務経験のある営業です。
別に「営業を続けろ」と言っているわけではありませんし、異業種への転職をとがめているわけでもありません。むしろ未経験の仕事にチャレンジしようとする精神は素晴らしいと思いますが、事実として自己評価だけで応募企業を選んでしまうと、往々にして転職は失敗するということを覚えておいてください。
他者評価でおこなうキャリアの棚卸しとは?
これまで説明してきたように、仕事とは常に他者評価です。
理想の自分を想像して夢を見ることが目的なら、自己評価でのキャリアの棚卸しを続けていただいてもかまいませんが、転職を成功させることが目的なら、キャリアの棚卸しは他者評価に切り替えなければなりません。
とは言っても「私、どうですかね?」と上司や同僚に直接聞くわけにもいきませんから、以下のことを思い返してみてください。
いままでどんな仕事で褒められたか?
これまで自分が関わってきた仕事で、上司や同僚に褒められた時のことを思い出してください。
仕事では普通程度で人から褒められるということはありませんから、褒められたということは、一定レベル以上の仕事ができていたということになります。
ということは、それが本来あなたが得意なことである可能性が高いと言えます。
性格や人間性のどんな部分を褒められることが多いか?
私の知り合いで、ことあるごとに「俺は社交性がないからダメだ」言っている方がいます。
しかし私も含め、周りは皆その方のことを「真面目で実直な人」だと評価しています。
本人はそうは思っていないかもしれませんが、これがリアルな他者評価なのです。
もしこの方が転職するのであれば、私はこの方の「真面目で実直な人」という点をアピールするように強く奨めるでしょう。
「●●さんって○○ね」と言われるとき、どう言われるか?
「●●さんって○○ね」と言われて、「そうかな?そんなことないけど…」と思ったことはありませんか?
場合によっては「全然違う、私のこと全然分かってない!」と思うこともあるかもしれません。
しかし、あなたが何と言おうとそれが他者評価なのです。
たとえばあなたは自分のことを人と話すことが苦手だと思っていても、人から「あなたって話上手ね!」と言われるなら、営業職という選択肢もあるかもしれませんよ。
自分が得意だと思って取り組んだ仕事に対する周囲の評価はどうだったか?
自分が得意だと思って自信満々で取り組んだ仕事の評価がそれほどでもなかったとすれば、周囲が分かってくれないのではなく、あなたが自分で得意だと思っていただけで、実は大したことなかったという場合の方が多いものです。
自分が苦手だと思って取り組んだ仕事に対する周囲の評価はどうだったか?
あなたがイヤイヤ取り組み、自分でも自信がなかった仕事が意外にも好評だった場合、もしかしたら、あなたが得意なことは“それ”なのかもしれません。
普段の自分から想像して苦手だと思い込んでいたことが、仕事でイヤイヤながらやってみたら意外にできたということは良くあるのです。
以上のように振り返っていくと、自己評価と他者評価との間にいくつもの隔たりがあることに気づくと思います。
これを知った上でキャリアの棚卸しをすることで、はじめて本当の意味であなたに向いている仕事が見つかるのです。
転職エージェントはキャリアの棚卸しのプロ
ここまで、キャリアの棚卸しは他者評価でおこなうことが大切だと説いてきましたが、これを自分1人でやるとなると、なかなか上手くまとまらない場合があります。
そこでおすすめなのが、転職エージェントのキャリアアドバイザーに協力してもらい、キャリアの棚卸しをするという方法です。
おすすめ転職エージェントは「リクルートエージェント」です。
転職エージェントは仕事の紹介だけではなく、職務経歴書の書き方や、面接シュミレーションなど、転職に関するすべてのサポートを無料してくれますが、そのなかには「キャリアの棚卸し」のサポートも含まれます。
リクルートエージェントに「キャリアの棚卸しのサポート」をお願いすると、あなた専任のキャリアアドバイザーが、インタビュー方式であなたに様々な質問をしますから、その質問に回答していくだけで、自然に他者評価でのキャリアの棚卸しが完了してしまいます。
つまり、あなたの口から他者評価を引き出すような質問をしてくれるということです。
正しいキャリアの棚卸しが分からないという人は、是非一度リクルートエージェントのサポートを受けてみてください。
転職のプロのなせる技だと関心させられると思います。
なお、稀に転職エージェントを有料だと勘違いしている方がいますが、転職エージェントは紹介した企業側からの報酬で運営されていますので、あなた(求職者側)が料金を支払う必要は一切ありません。
もちろん「リクルートエージェント」も全てのサポートを無料で受けられます。
リクルートエージェントは、登録したからといって必ず仕事を紹介してもらわなければいけないということもありませんから、現在の転職事情を聞いたり、非公開求人を見せてもらうだけでも足を運ぶ価値はあると思います。
もちろん既にリクルートエージェント以外の転職エージェントに登録している方がリクルートエージェントに登録しても何ら問題ありませんし、むしろいくつかの転職エージェントを比べてみることで自分に合った転職エージェントが見つかることもありますよ。
リクルートエージェントの登録方法
2.下のページ(画像はスマホサイト)が開きます。「転職希望時期を教えください」とあるので転職を希望する時期をタップしてください。
3.以降「希望の勤務地」「直近の年収」「現在の職種」「生年月日」など20個の質問に答えたのち、「登録する」をタップすると、リクルートエージェントのサービス(もちろん)を利用することができます。
20個も質問に答えるのは面倒に思うかもしれませんが、これしきのことを面倒がっているようでは、正直、転職に成功することは難しでしょう。
なお、途中で入力を中断してしまうと、システムの都合上、また最初から入力し直さなくてはならなくなってしまいます^^;
一気に20個の質問に答えて登録だけでも済ませてしまいましょう。
登録したからと言って料金が発生するわけではありませんし、必ずしも利用しなければいけないということもありません。条件の合う仕事の紹介があったときだけ利用するというのももちろんありです。
柔軟に利用できるのも他の転職エージェントにはないリクルートエージェントのメリットです